ADHDの傾向があって仕事でミスが多い。
色々工夫しているけれど、一向にミスがなくならない。
自分に自信も持てなくなり苦しい。
どうすればこの状況から抜け出せるんだろうか…。
今回はこんな悩みにお答えしていきます。
具体的にはこんな方に役立つ記事です。
- ADHDの診断を受けていて、仕事のミスに悩んでいる方
- ADHDグレーゾーンの方で、仕事のミスに悩んでいる方
- ADHDの傾向がある方で、仕事のミスに悩んでいる方
この記事を書く私も、現在進行形でADHDの特性と向き合う当事者です。
ADHDの特性で仕事がうまくいかず、長年苦しい状況にありました。
改善した大きな要因は、こんなことだと思います。
- ミスが起こりにくい工夫を重ねた
- 不安への向き合い方(メンタルコントロール)が身に付いた
- 「ミスは完全になくならない」ことを受け入れた
結論から言うと、「仕事でミスが減る工夫をしつつも、どうしても解決しないミスは諦めつつ、他のことでもスキルを高めておく」が良いかなと考えます。
ミスが多くて悩んでいる方へ、本質的な回答となると思うので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
【再認識】ADHDの特性は先天的な脳の障害である
まずはADHDの特性について確認しておきましょう。
ADHDの特徴は大きく分けると以下の3つ
- 不注意型
- 多動型
- 衝動型
これらの特性が、人によってひとつの場合もあれば、複数の特性を併せ持っている場合もあります。
ちなみに私の場合、「不注意」が顕著で、ヌケモレやモノ忘れがハンパじゃないです。
この特性の組み合わせや、性格などによっても、特性の現れ方は千差万別です。
なので、冒頭から少し残念なお知らせで申し訳ないですが、「これをやればうまくいく」という方法はないかな?と思っています。
なぜ、こんなことを言うのかというと、過去の私を含め、ミスが多くて悩んでいる方は、「完全にミスがなくなる方法」を追い求め過ぎていることが多い。
しかしながら、ADHDをはじめとする発達障害は先天的な脳の特性なので、程度の差こそあれ、完全に無くすことはできません。
少なくとも私は20年近く、本気で障害の特性を改善すべく工夫を重ねてきましたが、現在も健常者と比べればやはりミスは多いのです。
そこで、ADHDと向き合うにあたり、本質的に大事な視点はこういうところかな?と考えています。
- ミスは可能な限り減らす工夫や努力をする
- 「これ以上の改善は難しい」というラインを見極める
- 仕事以外でも経験・成長を積み上げる
ちょっと厳しい現実かもですが、そんなに悲観することもないと思いますよ。
というのも、現在の私は割と充実した毎日を送っていますし、工夫や経験を積んでいけば、ある程度症状は改善できます。
対処には考え方や方法のコツがあると思っていますので、そのあたりをお伝えできればと思いますよ。
ADHDの人が起こしがちなミス
改めて、ADHDの人が起こしがちなミスを把握しておきましょう。
ご自身で、「どんなミスが多いのか?」と確認してみるキッカケにしてもらえればと思います。
自分の傾向を掴むことで、対処方を考える際のヒントにもなりますからね。
ADHDにありがちなミス
- 予定やモノ忘れの頻度が多い
- 遅刻が多い
- ケアレスミス、うっかりミスが多い
- 仕事の先延ばしが多く、いつも期限ギリギリ
- 書類などのヌケモレが多い
- 複数のことに注意が向かない
- 段取りがうまくできない
- 臨機応変な対応が難しい
- 理解力がなく、話についていけない
- 思い込みや見間違いが多い
- 先を読むのが苦手
- 思いついたことを次々やって、本来やっていたことを忘れる
- 話に集中できない
次の項では、これらのミスに対する対処法についてお伝えしていきますよ。
ADHDの特性によるミスへの対処法
自分のミスの傾向を再確認したら、ミスへの対処法を考えてみましょう。
ただ、実際にミスを減らす工夫も大切ですが、改善にも限界があります。
改善に取り組んだ上で、心の安定、収入や自己実現、成長など、人生を豊かにする本質的な対処法もご紹介していきますよ。
起こりがちなミスに対する方策としては、こんなところ。
- メモの活用
- 段取り力を身に付ける
- 自分用のチェックリストの作成
- 忘れ物を防ぐ工夫
- 自己分析をする【自分の特徴を知る】
- 効果の出やすいものから改善
- 基礎知識を理解する
- 進捗を伝えておく【不得意のアピールも効果アリ】
- 薬を使う
- カミングアウトする
- 仕事を変えてみる
いずれも私自身、長年取り組んできて随分改善に役立ちました。
時間はかかると思いますが、確実に効果は出てくるはず。
それぞれについて解説していきます。
メモの活用
メモには忘れない、頭の中を整理する、といった効果があります。
たとえば…
- スケジュール手帳
- TODOメモ
- 疑問なことメモ
- 取り組みたいことリスト
こういったメモを取っておくと、忘れ防止や段取りに役立つばかりか、情報が蓄積されていくので、後でご紹介する自己分析にも役立てることができます。
経験が後々の糧となる訳ですね。
メモの活用方法についてはこちらの記事にて詳しくお話ししています。
スマホのメモを活用する話ですが、仕事やプライベートにも役立つはず。
ケイちゃん メモアプリを使い始めたんだけど、メモして時間が経っちゃってから見ると、内容がわからない時もあるし、書いたことが散らかって、どこに書いたかも忘れちゃう…。良いメモの取り方が知りたいなぁ。 amatochan […]
段取り力を身に付ける
ADHDの人にとって、苦手なことのひとつが段取り力でしょう。
しかし、段取りができないと仕事のあらゆる場面でタスクが崩壊します。
また、段取りはどんな職業や職種でも必要なスキルになるはず。
私も、段取りがうまくできなかったことが、仕事がうまくいかない大きな要因でしたが、現在では随分改善しました。
以下の記事では、様々なノウハウや自身の経験を元に、段取りの方法について詳しく書いていますので参考にしてみてくださいね。
オーくん 社会人になってしばらく経つのに段取りがなかなかうまくできない。段取りってどうしたら上手になるんだろう?悩んでるので誰か教えて欲しい。 今回はこんな悩みにお答えします。 そういう私はADHDという発達障害を[…]
自分用のチェックリストの作成
たぶん、ほとんどの職場では「チェックリスト」なるものがあることでしょう。
しかし、ADHDの人など、ヌケモレが多い人にとって、「これだけでは不十分だな」と感じている人も多いはず。
なので、チェックリストを使っているのにミスが多い場合は、ぜひ自分用のチェックリストを作成することをオススメします。
作り方としてはこんな手順。
- 自分のミスをメモで残しておく
- ①を確認し、起こしたミスとその傾向から起こしそうなミスを抽出
- 元あるチェックリストに②を追加する
- 定期的に見直し
仕事の経験が浅いうちは傾向を掴むのが難しいですが、だんだんと自分がミスしそうなポイントは予想がついてきます。
そこを、チェックリストへ反映するようにしましょう。
忘れモノを防ぐ工夫
自宅からの出勤時や職場での移動など、忘れ物が多くて困っている方もいることでしょう。
そんな場合はこんな工夫が役に立つかと
- 仕事のカバンには必要なものは全て入れっぱなし
- 仕事に行く時に必要なものは玄関の1カ所に集約して置いておく
仕事のカバンに必要なものが入っていれば、とりあえずそのカバンを持っていれば全て入っているという安心感があります。
こうすると、正直カバンは重くなりますが、忘れてしまった時の後悔を考えれば、ずっと心は軽くなるはず。
あと、ご家庭の許可は必要でしょうが、カバンをはじめ、カギ、服なんかも、出かける時に持って行くもの全てを玄関に置いておくと、忘れる可能性はグッと減りますよ。
これは実際に実践済みで、結構効果ありました。
ちなみにこのあたりのノウハウは、以下の書籍を参考に活用させてもらっています。
著者の借金玉さんはADHD当事者で、役立つノウハウを様々な媒体に寄稿されており、私もよく参考にさせてもらっています。
自己分析をする【自分の特徴を知る】
自分を知ることはとても重要です。
なぜなら、自分の得手不得手や特徴などがわかっていないと、改善しようにも見当違いな対策を立ててしまう可能性がありますからね。
自分の特徴を知るには、普段から何を考えて、どう行動しているかを第三者視点で見る意識をしてみましょう。
意識するポイントはこんなところ。
- できていること、できないこと
- よくミスをすることの傾向
- うまくいく時の傾向
- 仕事中、何を考えているかを知る
- ミスしたあとの自分の思考や行動
まず、得意、不得意の把握は、後でご紹介する「仕事を変えてみる」際にも役立ちます。
そして、仕事中に何を考えて仕事をしていたかも重要なポイント。
たとえば、書類どうしを比較してチェックしている時、「実はその比較対象がそもそも正しい情報でない」場合は、間違った結果しか生まない訳ですね。
言われてみれば当たり前のことでも、こういうことって意外に日常に溢れていると思います。
あとは、ミスした後に何を考えているか?
有名な言葉で「失敗は成功の母」って言葉ありますよね。
ちょっと厳しめの意見かもですが、この言葉は、起こった出来事を振り返り、次に活かして、はじめて実現します。
もちろん、あまりズルズルと考えるのは精神衛生上よくありませんが、一方で、ただ落ち込んで、その事実から目を背け続ければ、次に繋がらないのは当然の話ですよね。
こういった事実が腑に落ちてくると、失敗の原因やどうすれば改善できるかの糸口が見えくるワケですね。
自己分析で自分を知ることは、仕事やプライベート、何かの決断をする時なんかでも、判断する軸になります。
こちらの記事では、人生という大きなテーマで自己分析について話しています。
自分の生きる軸や哲学を考えたい時に大切な思考だと思います。
オーくん 毎日、仕事と家の往復で、たまに同僚と飲みに行く。そんなに不満ではないけど、何となく物足りなくてモヤモヤするな~自分が本当は何がしたいのか?どんな生き方をしたいのか最近ふと考えがち。「自分を知るのは大切」とは言うけど具体的に[…]
効果の出やすいものから改善
自分の得手、不得手やミスの傾向などが見えてくると、いくつか改善案も出てくるでしょう。
そうしたらまずは、すぐに効果の出やすいものから取り掛かることをオススメします。
というのも、成果が出るまで時間がかかることや、効果が出るかよくわからないことから取り掛かると、その間が結構ツラかったりします。
やっぱり、すぐに効果を感じられる方が、意義も感じられるので、”がぜん”やる気が出てくるものです。
基礎知識を理解する
これは、私が経験したことですが、意外に基礎知識が不足していることが原因ということもあると思います。
分野にもよりますが、ADHDは知的障害ではないので、しっかり学べばある程度仕事の基礎は理解できるかと。
基礎ができると、話の理解力やヌケモレなどは相変わらずでも、やっている仕事の意味や、やるべきことは見えてきます。
そうすると、大きく業務の方向性を間違えることが少なくなる。
結果、ミスが少なくなる、もしくはミスの大きさが小さくなる可能性があります。
これは私の実体験でもあったので、再現性は高いかと思いますよ。
進捗を伝えておく【不得意のアピールも有り】
相手が何を考えて、どこまで理解していて、今何の仕事をしているのか、がわからない場合、上司も不安になるものです。
なので、自分の仕事の進捗は積極的に、できれば毎日しておきましょう。
そうすれば、うっかり忘れや思い込みの間違いなどがあった場合、早期に指摘され、気付くことができます。
また、周囲に自分の苦手なことをアピールしておくのも良いでしょう。
そうすれば、「この人は、この辺りが不安だからよくチェックしておこう」となるはず。
かなり意識低めな方策ではありますが、大きなミスを起こすよりもマシですし、そもそも仕事は得手、不得手を補いながら、協力して進めていくものです。
感謝はしつつも、周囲を頼っていきましょう。
薬を使う
ぶっちゃけ薬については、「使ってみても良いかな?」というぐらいで、あまり効果を期待しない方が良いかもしれません。
というのも私自身、ADHDに効果があるとされている薬で有名な、コンサータとストラテラを服用していたことがあります。
が、「ADHDの特性を改善してくれたか?」と言われると、あまり効果は感じませんでした。
それぞれの薬を使用した時の、私の体験談を簡単にご紹介しておきます。
もちろん私は薬の専門家ではありませんので、薬の取扱いは、お医者様の指示に従ってくださいね。
コンサータ
コンサータは飲んでから12時間程、効果が持続するお薬です。
一般的に言われる薬効はこちらのとおり。
脳内の神経細胞の間で情報を伝える神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)を増加させ、神経機能を活性化し、注意力を高めたり、衝動的で落ち着きがないなどの症状を改善します。
私は日中に眠くなることや、わからないことを考え続けると、頭がボーっとすることがありました。
薬を飲んだ日は、覚醒作用のおかげか、眠気をほとんど感じず、少し興奮状態にあるような感覚がありました。
ただ、不注意を改善してくれるか?というと、そうでもないです。
まぁ、当然かもしれませんが、薬を飲むことで頭の回転が早くなる訳もなく、仕事の処理やヌケモレの発生に変化はありませんでしたね。
一方、副作用として、ちょっと気分が悪かったのを覚えています。
吐きそうとか、そんなにひどくはないけれど、少し胸がムカムカする感じでした。
ストラテラ
ストラテラは毎日決まった量を飲み続け、一定の血中濃度にすることで効果が出てくるお薬です。
一般的に言われる薬効はこちら。
脳内の神経細胞の間で情報を伝える神経伝達物質を調節し、不注意や多動・衝動的で落ち着きがないなどの症状を改善します。
こちらのお薬に関しては、正直なところ全く効果が実感できませんでした。
はっきり記憶にないですが、飲んでいた期間は2か月程だったと思います。
飲み始めてから効果が出るまで1週間~8週間程かかると言われているので、効果が出るまで続けていなかった可能性もありますが…。
ただ、薬は個人差もあるので、人によっては改善が見られるかもしれません。
ADHDの診断を受けているなら処方してもらえると思うので、一度試してみるのも良いかもしれませんね。
カミングアウトする
これは職場、もしくは会社に話すことで、障害を受け入れてもらうということです。
ぶっちゃけ、現実的には難しい場合が多いので最終手段とも言えます。
しかし、事態が深刻な場合はカミングアウトもやむを得ない場合もあるでしょう。
職場の人に理解してもらうことができれば、ある程度配慮してもらえる可能性もありますし、適切に仕事を振ってもらえるかもしれません。
また、これは障害者手帳をもっている場合に限りますが、会社に認めてもらえれば、障害に配慮した職場に配置してもらえることもあるでしょう。
あまり良い表現ではありませんが、障害者の雇用は、会社としてもメリットがあるんです。
理由は、国の法律で「障害者雇用率制度」というものがあるから。
民間企業の場合、従業員数の2.2%は障害をもつ方を雇用する義務があり、その数に満たない場合は1人につき月額5万円が国に徴収されます。
一方、発達障害者を雇用した場合、雇用した企業は補助金、50万円、中小企業の場合は120万円を受取ることができます。
ですが、発達障害の話をせずに入社している場合は注意が必要です。
理由は簡単。
発達障害があるのに、申告せずに入社した場合、虚偽申告となり、最悪の場合は解雇となります。
ちなみに、私は職場にカミングアウトした結果、解雇されてしまったことが一度ありました。
ですので、職場で障害をカミングアウトするのは、よほど信頼のおける相手か、あらかじめ障害を公表した上で入社している時に限るでしょう。
仕事を変えてみる
仕事の改善に取り組むには、ある程度時間はかかるでしょう。
早い場合は半年くらいで効果が出ることもあるかもですが、数年程経っても大した効果が感じられないこともあるかもしれません。
もちろん改善には、継続して取り組むことが前提ですが、これだけの手間と時間を投下しても成長が感じられない、もしくは遅すぎる場合は、仕事に適性が合っていない可能性もあります。
そんな時は仕事を変えてみることも考えるべきかと。
というのも、以下の記事で詳しく書いていますが、不得意なことにいくら時間をかけても、得られるモノが少なすぎるので、疲弊していくんですよね。
オーくん 「得意や好きを伸ばそう」って聞くけど苦手克服もしていかないと成長できない気がする。好きを伸ばしてばかりもいられないんじゃないの? amatochan 多少は苦手克服もやってみた方がいいけど、程ほどにして、得意や好きなこと[…]
一般的に、ADHDの人が向いている仕事と向いていない仕事は以下のように紹介されます。
ADHDが”向いている”と言われる仕事
- プログラマー
- システムエンジニア
- クリエイター
- WEBデザイナー
- 営業職
- フリーランス
- 研究者
- 職人
ADHDが”向いていない”と言われる仕事
- サービス・接客業
- 総務職、事務作業
- 配送ドライバー
- 銀行・金融関係
- 医師・看護師
- 工場の工員
確かにこれらの職業は、ADHDの傾向を考えるとうなずけるものなのですが、完全に鵜呑みにするのは危険だと考えます。
理由は、ADHDの特性は千差万別で、必ずしもこの条件が合うとは限りません。
実際、私は営業職を試しにやってみましたが、全く向いていませんで、わずか半年ほどで敗走したことがありました。
「では、自分の向いている仕事が何なのか?」と考えた時に役立つのが、先にご紹介した「自己分析」です。
自分の特徴や傾向がある程度でもわかってくると、おおよそ向き不向きも予想がつきます。
とはいえ、完全に合致した仕事を見つけることは難しいので、向いている可能性を感じるなら思い切って転職もアリだと考えます。
転職は大きな決断だと思いますので、二の足を踏むのもわかりますが、まだ30代前半までの年齢なら、トライする価値はあるかと。
あと、働く会社選びは重要ですよね。
個人的に、転職の際に活用しているのが、会社四季報と就職四季報です。
情報を見るポイントはこちらの記事にてご紹介していますので参考にしてみてください。
オーくん 転職したいけどブラック企業には行きたくないな。ブラック企業か見極めるための良い方法ってないのかな? 今回はこんな方向けに、「ブラック企業を見極めるのに活用すると良い方法」についてお話ししていきます。 転職[…]
こういった情報を見られるようになると、会社の実態がわかってくるので、変なブラック企業を選んでしまう確率はグッと減るかと思います。
私も実際に何度も転職を経験し、サービス、製造工員、設計、営業など色んな仕事を試してみました。
こんな話をしといて何ですが、結果私は、これといって向いている仕事は、残念ながら見つかりませんでした。
ですが、少なくともサービスと営業は壊滅的に向いていないことはわかったのです。
なので今後、私がこの分野の仕事に就くことはないでしょう。
このように、「向いてるかも」という仮説を立てて挑戦し、その結果を分析するというのも良い手かと思います。
これなら、たとえ向いていなかったとしても、「自分はこの職種は向いていない」ということがわかったことは大きな収穫です。
ただ、すいません。
こんなことを言っておいてですが、正直なところ、40歳を超えていると年齢的な壁で転職自体が難しいかもしれません。
この場合は、後でお伝えする、「自分の得意やできること」で本業とは別のキャリアを描くのが良いんじゃないかなと考えています。
「心を整える」ことも大切
ADHDをはじめ、発達障害をもつ方の多くは、仕事でもプライベートでも失敗が多くなりがちで、自分に自信が持てなくなくなる方が多いです。
仕事の改善には「心の安定」「気持ちの切り替え」が必要なのは間違いないと考えます。
実際私は、ミスが多すぎて辛かった時、自己肯定感を失い、一時は”うつ”のどん底にいました。
こうなると心理的な不安がミスを誘発し、更にミスを生むこともよくあることです。
そんな時のアドバイスに「嫌なことは忘れよう」という話がよくありますが、これはちょっと論点がズレているかなと。
そういう私も長い間、この考え方を実践してきたのですが、どうも違う…。
ですが、最近この悩みに本質的な結論が出ました。
それがこの2つ。
- 悩む時間がもったいない
- ミスは次に繋げるチャンスでもある
ただこう書くと、「その考え方ができたら苦労はしない」という声が聞こえてきそうですね。
もう少しそれぞれの意味を解説します。
悩む時間がもったいない
実は私自身、少し前に仕事でミスをしてしまい、ちょっと凹んでいました。
ぎゃー‼️仕事で、あわや大惨事なミスをしてしまった😱
大ごとになる前に気付いたから良かったものの、そのままいってたらヤバかった…
しかし、こんな時こそ冷静に、次に繋がる糧としたい💡
— amatochan (@ponama122) August 5, 2020
ですが、こう考えました。
問題解決のために思考するのは良いのですが、ただ落ち込んで悩む時間は、時間の浪費でしかありません。
ちょっとスパルタ論かもですが事実ですよね。
こう考えると、悩んでいる時間の不毛さに気付き、人生の損失を実感するのです。
ミスは次に繋げるチャンスでもある
「失敗は成功の糧だ」
この言葉をいつも意識してはいたのですが、実際には効果を得られず消耗している期間が長くありました。
ですがある時、こんな状況を目撃しました。
「ミスは次に繋げるチャンス」を実感したエピソード
ある時、ミスをしてしまった後に淡々と対処と今後の改善に努めている方がいました。
その方はその流れで、社内の改善活動の中心で活動する立場になり、次第に職場での評価は高まっていきました。
しばらくした後、その方は上流の仕事を担当する異動となったのです。
この時に、「失敗を糧に」「ピンチはチャンス」はこういうことか!と衝撃を受けました。
それからミスに対して委縮することが減り、良い教訓として記憶できるようになってきたのです。
つまり「仕事のミス」への見方が言葉だけでなく、実感としてハラオチしたということ。
するとその後、こんな成果が現れ始めました。
- 前回のミスを覚えていたからこそ、気づいた間違いがあった
- 「これは前にミスった危ないヤツだ」と注意深くなった
この感覚は、経験や時間が必要かもしれませんが、この考え方を知っているかどうかで、ものごとの捉え方は大きく変わってくると思います。
上記2つを意識してミスに取り組み、継続すれば、どこかで腑に落ちるタイミングがあるはずですよ。
あと私の好きなリンカーンの言葉が背中を押してくれるかもしれません。
この言葉を私はこう読み解きます。
失敗してしまった事実は変わりません。
そこからどうモノゴトを捉え、行動するかで、その先に起こる現実は変わってくるのです。
得意の掛け合わせで別のキャリアを描く
改善を続け、工夫を重ねても成長を実感できないこともあるでしょう。
不得意なことを続けていても、成長は遅く、当然楽しさを見出すのも簡単ではないはずです。
こうなるとストレスも溜まり、負のスパイラルに陥りやすい。
そう、対処や改善にも限界があるのです。
一方で得意、もしくは多少でも向いていることなら、成長も早く楽しさも感じやすいので、更に意欲が沸くという、上向きなスパイラルになりやすいと言えます。
この事実を考えた時に、次の一手として考えたいのがコレ。
スイマセン。
ちょっと、この話はショックを受ける方もいるかもですが…。
私をはじめ、発達障害の人は、「どこでも通用する人材」になるのが難しいでしょうし、仕事で人よりミスの多い状態で、会社に「絶対に必要とされる人材」になるには、「よほど尖った得意」がない限り難しいと思います。
一方で、先日私はこんなツイートをしました。
会社に属していても、個人事業主として働く意識が大切と思う😌
というのも企業の生存率は
1年後 40%
5年後 15%
10年後 6%
20年後 0.4%
と言われている。つまり、20年後に同じ会社で働いている人は1000人中4人ということ。
ポータブルスキルを身につけるべきだと痛感した数字💡
— amatochan (@ponama122) September 27, 2020
つまり、この変化の多い時代に、本業一本で定年まで仕事をするのは発達障害があろうとなかろうと、まず不可能と考えた方が良いということ。
こう考えた時に、「キャリアのリスクヘッジ」が必要だと思うのです。
これを実現するためのひとつの方法が、「副業で得意や楽しいを伸ばすこと」だと思っています。
なぜ副業が良いのか?それはこんな理由です。
- 転職や起業、フリーランスはリスクが高い
- 副業なら本業で安定した給料をもらいながら取り組める
- 思い立ったらすぐに始められる
- 多様な経験ができるので得意なものに出会う確率が上がる
- 本業だけでは得られないスキルが身に付く
つまりはリスクを少なく、自分のスキルを伸ばしていけるということ。
今はまだ副業が盛り上がり始めた過渡期ですが、将来の日本を分析している様々なデータでも、こういった働き方が拡大していくのは、ほぼ間違いないと言われます。
こういった事実から、副業は生存戦略としてはもちろん、人生をより充実できる方法だと考えています。
【補足】障害者雇用はオススメしない
中にはADHDの診断を受けていて、障害者手帳をもっている場合は、「障害者雇用」という選択肢を考える方もいるかもしれません。
ですが、たぶんこの選択はやめておいておいた方が良いかと。
実は私も障害者雇用を考え、障害者向けの転職エージェントや転職サイトなどを利用したことがありました。
ですが、以下の理由によりやめました。
- 発達障害者向けの求人はほとんどない
- 仕事内容があまりにもレベルが低い
- 給料が低すぎる
- 今後の自分の可能性を捨てる選択になる
身体障害者向けの求人は割とありましたが、発達障害者向けの求人は数える程。
その少ない求人内容を見ると、言葉は悪いですが、かなりレベルの低い仕事しかありませんでした。
そして、1人暮らしも難しい程の低い賃金。
正直、この選択をしたら「一般の仕事に戻れなくなるな」と、容易に想像ができました。
理由は、職務経歴書に書くことになるから。
障害者雇用で働くという選択は、「今後の自分の人生の可能性を閉ざすこと」になりかねないので、この選択はナンセンスと考えます。
まとめ:今の仕事に真摯に向き合いつつ、別のスキルも伸ばす
ADHDというハンデを抱えながら、「今の仕事が向いていない」と、いきなり転職や独立、フリーランスといった選択を考えるのは早計かもしれません。
結果、もしうまくいかず、経済的に追い詰められると、心理的・肉体的なダメージも計り知れません。
「現在の仕事の改善に努めつつ、副業で別の道も探る」というのが、戦略としては理にかなっているかなと考えます。
少しでもお役に立てれば幸いです。
今回は以上となります。