ブラック企業か見極めるための良い方法ってないのかな?
今回はこんな方向けに、「ブラック企業を見極めるのに活用すると良い方法」についてお話ししていきます。
転職活動をしていて、「ブラック企業には入りたくないな」と考える方って多いんじゃないでしょうか?
中には既にブラック企業に入ってしまい、次の転職では働きやすい企業に入りたいと考えている方もいるかもしれませんね。
私のブラック企業での体験談についてはこちらの記事で話していますので、よろしければどうぞ。
こんにちは、amatochanです。 先日私は、こんなツイートをしました。 https://twitter.com/ponama122/status/1287889984771387398 いまだにブラックな職場って[…]
でも転職活動をしていても、企業の実情って入ってみないと外からではわかりづらいものです。
そこで今回は、事前に企業の実情を知るために活用すると良い方法をご紹介していきたいと思います。
ひとつの情報源ではその信憑性がわからないことでも、いくつかの情報を組み合わせることで、その企業の実情や背景が予測できたりしますよ。
それではご紹介していきます。
1.四季報
四季報と聞いて最初に思い浮かべるのは投資する人が見る「会社四季報」だと思います。
もちろんこちらも企業分析にはとても役立つのですが、もう一つ抑えておきたいのが「就職四季報」。
この2つを活用することで、会社の実態から将来性、社風などが見えてきます。
四季報は東洋経済新報社の記者が会社を定期的に訪問し、取材した内容を第三者の中立視点で編集しているので、企業の実態をつかむのに適しています。
残念ながら日本国内の企業全てが載っている訳ではありませんが、もし掲載されている企業があるならこの情報を使わない手はないと思います。
字がたくさん羅列されていて、はじめて見る方は拒否反応を起こしてしうかもしれません。
そこで、今回は見るべきポイントを絞ってお伝えしていきますよ。
なお、各数値は業界や職種によって平均値が違いますので、自分が転職を希望する業界の数値と比較して見るようにしましょう
業績が好調な会社は、「働きやすさ」「従業員の意欲」などが高いことが、厚生労働省の調査結果でも明らかになっています。
元気な会社に入ることは、結果的に健康的に働けて、仕事のスキルも上がりやすい環境に恵まれやすくなるんじゃないでしょうか。
では、四季報で見るポイントについて解説していきます。
会社四季報
会社四季報は会社の業績や今後の成長性、経営状況などを知ることができます。
言うなれば会社の健康状況がわかるので、企業体質を知るにはうってつけなんですよね。
会社四季報で見るべきポイントは以下が重要かと。
- 自己資本比率
- 業績推移
- 投資CF(キャッシュフロー)
- 営業利益率
それぞれを詳しく解説していきますよ。
自己資本比率
自己資本比率とは、借りたお金など返済の必要のない自社の貯金が全資産に対してどのくらいの比率であるか?というもの。
たとえ資産をたくさんもっていても、返済に回る借入金ばかりでは手元にお金は残りません。
当然、返済の必要がない貯金が多い方が企業運営は安定しやすく、少々景気の上下があっても倒産のリスクが低くなる、ひとつの目安になります。
現在のようなコロナ渦では特に企業の生き残りを左右するポイントと言えるでしょう。
この数値も業界ごとで幅はあるのですが、投資の世界では一般的に、40%を超えると優良企業と言われています。
ふところ事情が厳しければ、そのしわ寄せは確実に従業員の給与や働き方にも影響します。
転職先企業の自己資本比率を確認しておくことで、企業の資金振りを確認しておきましょう。
業績推移
四季報では過去数年間の売上高や営業利益などの業績推移を見ることができます。
売上もさることながら、特に注目したいのが営業利益と考えます。
営業利益とは、売上高から売上原価を引いて、そこから人件費や家賃支払い、光熱費、宣伝費など、商売でかかった経費を差し引いたものです。
つまり、営業利益とは企業の手取り金額ということですね。
売上、営業利益共に増えていれば、順調に伸びている企業と言えますが、売上が上がっているのに営業利益は横ばい、もしくは下がっているというケースもあります。
業容拡大のために先行した設備投資をおこなっていて、手元にお金が残っていない場合は健全な支出と言えるのですが、特に理由もなく営業利益が低迷している場合は注意が必要です。
企業運営が非効率で売上は伸びているのに、諸経費などが多くかかり、手元に残るお金が少ないままというケースも考えられますからね。
投資による利益の圧迫か否かは、後述する「投資CF」で、ある程度判断することができますよ。
投資CF(キャッシュフロー)
投資CFとは、会社の固定資産(機器、建物、土地、備品など)を取得した時にお金を支払いしてマイナスになったり、固定資産を売却した時にお金が入ってくることでプラスになるなど、投資目的で動いたお金のことを言います。
四季報の表記ではマイナスの場合、数字の頭に▲(黒三角)がついていて、プラスだと数字のみの表記になっています。
・投資CFがプラスの時:123
一般的には、投資CFはマイナスであった方がポジティブに捉えられます。
理由は、新たな設備などに投資を行うということは、業容を拡大していると考えられるからですね。
逆に固定資産の売却益が入りプラスの時は、資金振りの悪化で現金を確保したい時や、事業の撤退による事業や建物の売却益であるケースもあります。
営業利益率
営業利益率は売上に対する利益の割合で、この数値が高いほど「商売が上手な会社」と見る、ひとつの目安になると思います。
四季報に直接記載されてはいないのですが、以下の式で求めることができます。
営業利益率は業界によっても違いますので、目的の業種の平均値と見比べて判断が必要でしょう。
たとえば、ITや金融業界などは在庫などを抱えるコストが発生しないので、利益率は他の業界に比べて高い傾向にあります。
当然、利益の多い会社は従業員への還元も多い傾向にあるので、給与や職場環境、教育環境にも投資がしやすいでしょう。
このような会社は恵まれた環境で仕事ができる可能性が高まります。
就職四季報
就職四季報では採用や給与、離職率など、就職・転職者が気になる情報を知ることができます。
就職四季報にはいくつか種類がありますが、転職で役立ちそうなのは「就職四季報総合版」「就職四季報 優良・中堅企業版」「就職四季報 女子版」の3つかと。
「就職四季報総合版」は上場企業などの大手や有名企業が掲載されています。
「就職四季報 優良・中堅企業版」では上場されておらず、あまり知られていない優良企業などが中心。
「就職四季報 女子版」は産休・育休の期間や女性の既婚者数など、女性が働きやすい職場かどうかという視点の項目が設けられています。
ただ少し残念なのが、ND(NO DATA)やNA(NO ANSWER)など、情報が記載されていない項目も多くあるので、考慮しておく必要があります。
それでは「就職四季報総合版」での注目ポイントをご紹介していきますよ。
- 初任給、25,30,35歳賃金
- 有給取得年平均
- 離職率
初任給と25,30,35歳賃金
就職四季報では、初任給の額と25、30、35歳でのモデル賃金の項目があります。
配属される部署などによっても上下はあるかもしれませんが、初任給のデータは会社の給与水準の目安になるので比較検討に使えるんじゃないでしょうか。
25,30,35歳賃金では、給与の上昇ラインがある程度わかるので、こちらも人生設計に必要な情報ですね。
有給取得年平均
働くことを想定した時、有給のとりやすい会社かどうかは大きなポイントですね。
働いていると体調不良、外せない用事、突発的な用事など、どうしても休みを取りたくなることはあります。
2019年4月からは「働き方改革関連法」の施行により、「有給休暇を年間で最低5日の取得」が義務付けられました。
社会的問題にもなるほどの重要なポイントなので、休みが柔軟に取得できるかは、日常生活に直結する問題とも言えます。
離職率
離職率もブラック企業かを判断する上で、重要ですね。
ただ、ひとつ注意しておきたいポイントとして
たとえばリクルートは離職率が高いと言われる企業です。
が、有名な社是「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」が示す通り、
リクルートで働く人の中には、次のキャリアを見据えて働いている人や、起業の意思をもった方もいます。
こうなると離職率は高くなりますが、企業としては健全な離職を促していることになりますね。
こういった会社がどれほどあるかは私も知る所ではありませんが、離職率が高いからといって最初から転職候補から外してしまうのは少しもったいないかな?と考える訳です。
離職率が高い理由を調べてみてから判断しても良いのではないでしょうか?
前置きが長くなりましたが本題です。
ここでいう離職率とは、年度のスタート時点での労働者数を分母とし、その一年後の期末時点までの離職者数を分子にして計算したもの。
式で書くとこうなります。
ちなみに日本企業全体の平均離職率は15%前後となっています。
この数字を下回る会社なら、安定して長く働ける傾向があるでしょう。
もし「この数字を上回る企業だけど気になる」なら、ご紹介している方法を併用して離職率が高くなる理由についても調べてみると実態が見えてくるかもしれません。
2.企業名で検索
企業名でエゴサーチしてみると、有名な企業はもちろん、その分野では名の通った中小企業なんかでも様々な情報を集めることができます。
(ただ、零細企業やニッチ過ぎる企業などについては情報があまり出てこないかもです。)
ネット上ではこんな情報が得られる可能性がありますね。
- 従業員による口コミ
- ユーザーや消費者の商品や従業員に対する口コミ
- 周辺住民の声
- 取引先の従業員による口コミ
調べれば他にも情報が出てくるかもしれません。
どこから調べれば良いかわからないなら、googleの検索窓に企業名や職種などを打ち込んでみるのも良いかと。
そうすると関連キーワードが出てくるので、そこから連想して知りたい情報をリサーチするのもひとつの手ですね。
3.SNSで検索
先ほどの検索エンジンの活用と繋がりますが、SNSでも情報を集めてみるといいかもしれません。
特にtwitterは気軽につぶやけるので、直近、且つリアルな声が聞けて情報集めに良いかと思いますよ。
ただし、ネットもSNSも情報の信憑性が必ずしも確認されている訳ではないので、すべてを鵜呑みにせず、他の情報と併せて情報の正確性を調べる必要はあるでしょう。
4.転職口コミサイト
「転職会議」や「カイシャの評判」といった、転職口コミサイトを利用するのも良いですね。
全ての口コミを閲覧するには、自身の口コミ投稿も必要であるなど、ひと手間必要ですが、
給与水準や仕事のやりがい、福利厚生など、転職する人にとっての知りたい情報が集まっています。
あと、転職口コミサイトの注意点としてはこんなところ。
以下の記事でも書いていますが、私も実際に自分が働いていた会社の口コミを見てみた所、「自分がいた環境とは全然違う情報だった」ことがありました。
こんにちは、amatochanです。 先日私は、こんなツイートをしました。 https://twitter.com/ponama122/status/1287889984771387398 いまだにブラックな職場って[…]
大きい会社になるほど、部署によって働く環境や状況が異なることはよくあることです。
自分の希望する部署について書かれているのか?についても考慮しておくと良いでしょう。
5.転職エージェント
転職エージェントで紹介されている企業は、ある程度内容が精査されている求人ですし、自身の希望を考慮して紹介してもらえます。
ちなみに私は過去に2社のブラック企業を経験しましたが、この時はいづれも転職エージェントを利用していませんでした。
一方で転職エージェントを利用した転職先でブラック企業だったことはありません。
まぁこれは私1人の統計なので、「転職エージェントならブラック企業は紹介されない」とは必ずしも言えませんが、有名な転職エージェントならば、大きく間違った求人を紹介される確率は減らせるんじゃないでしょうか?
参考までに私が実際に使って、良かった転職エージェントはこちら。
- 【リクルートエージェント】 :業界トップの求人数をもつ有名企業。アドバイザーの質の高さにも信頼感あり。
- 大手総合型転職エージェント【パソナキャリア】 :人材派遣の先駆け的な企業で、独自の求人が強みの会社ですね
- DODAエージェント :業界2位の求人数があり、職務経歴書の添削や面接対策などのサポートが〇。
- JACリクルートメント:ロンドン発祥の外資系企業。求人数は他に劣るものの、海外勤務やハイエンドの案件多数。
ちなみに私が利用して、実際に転職したのはDODAとJACリクルートメントです。
6.企業のホームページ
企業のホームページではこんな情報を見ると良いかと思いますよ。
- 事業内容
- 製品やサービス
- 株主・投資家向け情報(IR)
- 役員一覧
これらは事実として公表されている情報なので、信頼できる情報と言えるでしょう。
事業内容や製品、サービスをみれば、おおよそ自分がやりたい仕事との整合性がとれますし、IR情報は先に話したとおり企業の経営状況の参考になります。
役員についてはそこまで重要ではないかもしれませんが、会社の経営に携わる人ですから、会社の方針に少なからず影響を与えることは確かです。
こちらもネットで検索すれば経歴や、どんな人か、といった情報が出てくることもありますので確認しておくと良いかもしれません。
注意点が多くてすいませんが、こちらも気を付けておくべきポイントがあります。それは、
何が言いたいのかというと、トップメッセージや企業理念といった所はあまり重要ではないと考えています。
その理由は、必ずしも会社全体に浸透しているとは限らないから。
これは私が、大企業、中小企業共に働いていた経験があり、実感として感じるところです。
たとえ経営者の素晴らしい考えが書かれていたとしても、社内全体にその思想が行き届いていない状況は、何度も目の当たりにしてきました。
「ホンネと建前」「理想と現実」と言えばしっくりくるでしょうか。
書いていることと実態が全然違う、ということもあるものです。
という訳で、トップメッセージや企業理念は話半分で確認しておけば良いかなと考えます。
情報は鵜呑みにしない
何度かこの記事内で書いていますが、情報を集める上での注意点としてこれがあると思います。
これはどの情報集めの方法でも共通すると考えます。
特にネット検索やSNSではネガティブな情報が書き込まれがちです。
心理学的にも、人はポジティブよりもネガティブなことに注目しやすいことが分かっています。
たとえば芸能人のゴシップ記事がよく読まれるのは典型的な例ですね。
すいません。
ちょっと話が逸れましたが、言いたいのはネット上ではネガティブな情報で溢れているということ。
ひとつの情報だけを鵜呑みにせず、複数の情報源から正確性を測る必要があるんじゃないでしょうか?
確認は、先ほど話したいくつかの方法で、一方で得た情報を他の情報源で信憑性を確認していくのがいいかと思いますよ。
まとめ:「ブラック企業に入らない」は通過点
給料の額や長く働ける安定性などの話もしましたが、ぶっちゃけ本質だと思ってるのは、「働きやすさやスキルが身に付く環境か?」が重要だと思っています。
というのも私は先日、こんなツイートをしました。
その上で「ブラックな会社で不毛な時間を浪費しないか」「会社から労働力ばかりを搾取されないか」という視点があってもいいかな?と考える次第。
ブラック企業に入らないことはあくまでその手段であり通過点です。
大事なのは、入社した後にスキルを磨き、人材市場価値を高めるられるかどうかではないでしょうか。
「そういうお前はどうなんだ?」と言われると、正直私はまだまだといった所。
でも目的はブラさず「人材市場価値」を高めることを意識して日々仕事や副業に取り組んでいますよ。
もし仕事への目標や目的があいまいになっているなら、そのあたりについても自己分析してみると良いかもしれません。
自己分析についてはこちらの記事でも解説していますのでよろしければどうぞ。
オーくん 毎日、仕事と家の往復で、たまに同僚と飲みに行く。そんなに不満ではないけど、何となく物足りなくてモヤモヤするな~自分が本当は何がしたいのか?どんな生き方をしたいのか最近ふと考えがち。「自分を知るのは大切」とは言うけど具体的に[…]
それでは、今回は以上とします。