今回はこんな悩みにお答えします。
そういう私はADHDという発達障害を持っています。
この障害は不注意や段取りできないのオンパレードな特性で、仕事にとても影響する障害なんです。
例にもれず、私もこの仕事の段取りが出来ないことで十年近く悩んできたのですが、現在は割と克服してそれなりに仕事を回せるようになりました。
最近は冷静に周りの人の仕事を見ていることもあるんですが、意外に段取りができない人は多いんですよね~。多分、悩んでる人も割といるんじゃないかと思います。
でも、仕事を効率よく、一定レベルのアウトプットを出す為には段取りの能力は必要不可欠です。
なので今回は、そんな自分が仕事の段取りができるようになった方法やコツについてご紹介していきます。
ちなみに私は機械関係のデスクワークの仕事をしているので、同じような仕事スタイルであればより具体的に使える知識かなと思います。
もちろん職種や業態の違う仕事でも、必要な部分だけ活用してもらってもいいと思いますよ。
尚、このブログでは仕事の基本を抑える内容を中心に書いているので、現時点で仕事をバリバリ動かして、「もう一段高いレベルを目指す」なんて方には物足りないかもです。
段取りは頭の回転が速くないとできない?
段取りがうまくできない人にとっては、段取りは頭の回転と関係あるんじゃないの?と考える方もいると思います。
ぶっちゃけ、頭の回転と段取りのうまさは関係性があると思います。
機転が利く人は、一つ聞いただけで、多くを予測したり、記憶しながら複数の事を処理できるので、段取りも正確で早いと思います。
ただし、頭の回転が遅いからといって必ずしも段取りが下手という訳ではありませんし、鍛えることはほぼ可能だと思っています。
理由は2つあると思ってまして、
・私自身が段取りができない状態から克服できた
1つ目は、頭の回転や思考の深さを後天的に鍛えられる事は、脳の専門家や研究者も可能であると言っていることです。
「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の監修で有名な、東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太教授はこんなことを話されています。
「地頭は生まれながらに決まっているものではなく、環境で差がつきます。(中略)自分は頭が悪いから…と自嘲的に言う人がよくいますが、成長時期のようにはいかずとも、何歳からでも地頭を鍛えることはできるのです」
2つ目は、私自身が全く段取りができない状態から現在はそれなりに段取りを組めるようになったことです。
体感的には、様々な経験や知識をコツコツ積み重ねた結果、ものごとを論理的に考える力や組立てる力、思考を深堀りする力などが身についたように思います。
【結論】目的がわかれば段取りは自然と付いてくる
本質から言いますが、段取りができるようになるにはこれしかないと思ってます。
それは、目的を理解する事です。
人間は目的がわかっていると、その手順や、やるべきことはすぐに思い浮かびますが、自分の知らないことだと、そもそも何をしていいかわからないのです。
例えばあなたがまだ持っていない大好きな本を読みたいとしますよね?
そんな時、考えるのはこんなことじゃないでしょうか?
- お金を用意しなきゃ
- ネットで買おうか?本屋で買うか?それとも古本屋?
- 本屋だったらどこの本屋が良いかな?
- 行く手段は、自転車で行こうか?車で行こうか?それとも歩き?
- 買った後はすぐ読む?読まない?
- すぐ読むならカフェに寄ろうか?
などなど、色んな選択肢が出てくると思います。
これは、「本を買う」方法や選択肢を知っているから思い浮かびます。
一方で、宇宙に行きたいと思ったら、どうすればいいでしょう?
- お金ってどのくらいかかるの?
- たぶん訓練しないといけないよね?どのくらいの期間?
- そもそもどこで訓練できるの?
- 自分は訓練を受ける資格があるの?
- …色々わからん。
まぁ、こんな感じですよね?
宇宙について詳しい人なら、まだ色々出てくるかもしれないですが、宇宙への行き方に無知な人では、これくらいしか出てこないと思います。
ここまで言ったら、だいたい言っている意味はわかったでしょうか?
仕事も同じで、その目的やモノについてある程度理解していれば、何をするか、選択肢は何があるか、どの順序でやればいいか、はおのずと出てきます。
ですが、あまりに無知な領域だと段取りとなる情報が少なすぎて、そもそも何から考えたらいいのか?という所からスタートになるのです。
逆を返せば、目的や、やり方などの知識を学んでいけば、自然と段取りの”当たり”やコツが掴めてくるのです。
以下の記事では目標や目的に集中するためのコツについて解説しています。
よければ参考にしてみてください。
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ぶっちゃけ、本質はここだと思ってますが、もう少し深堀りして仕事の段取りができない場合の改善方法を解説します。
【前提】仕事の段取りの前に必須なこと3つ
段取りの解説の前に、そもそも「これを先にできてないとどうしようもない」ってことがあるので、そこからまずは解説します。
仕事の使用ツールを難なく使える
まず、PCで仕事をする人はPCの使い方がわかってないと、段取りどころではないですよね?
部品を組み立てる工員なら工具の使い方がわかってないと、そもそも作業方法や、かかる時間など何もわかりませんよね?
更に言えば、会計処理をする人は会計ソフトを使えないと仕事になりませんし、レジ打ちをする人がレジの使い方を理解してなかったら何もできません。
仕事をする上では、必ず道具やツールを使う事でしょう。これらの知識が無ければ段取りをしようにも、その使い方がわからないので段取りの組みようがないのです。
もし、携わる仕事の道具やツールの使い方がいまいち理解できていないなら、まずはそれを使いこなす事から始めましょう。
仕事の流れやスケジュールがわかっている
仕事には一連の流れがあります。これも段取りをする前提として把握しておくべきです。
私は昔、学生時代に飲食店でアルバイトをしていたことがありましたが、仕事の流れは決まっています。
- 朝の仕込み、テーブルなどの掃除、準備
- 朝礼
- 接客・調理・レジ打ち・オーダー取りの繰り返し
- 昼休憩
- 交代の時は引き継ぎ
- 閉店間際から片付け準備
- 明日の前準備
- 電気、火の元確認後に戸締り
だいたいこんな感じだったと思います。
朝の準備では、回転時間から逆算して効率よくできるように段取りを組みますし、交代の前は引き継ぎの人に伝えておくことを事前に考えておきます。
この順序を全く知らなければ、時間が来てから慌てるのは火を見るより明らかですよね。これが段取りが悪いってことです。
ここでは、一日のスケジュールで書きましたが、仕事によってはプロジェクトで数か月~年単位でスケジュールが組まれることもあるでしょう。
どの仕事も、順序やスケジュールがありますので、これを把握することで、いつまでに、どのくらいの事をしておくべきかがわかってきますし、急な変更があっても臨機応変に対応しやすくなります。
定型業務はルーティン化しておく
定型業務のルーティン化は必須ではないかもですが、決めておくと仕事への集中力アップや、効率化になるので、やっておくと吉だと思います。
ルーティン化できる定型業務とはマニュアル化できたり、決まった作業ってことです。例としていくつか挙げてみます。
- メールの書出し文や宛先でよく使うもの
- よく使う仕様書、規約書などをひとまとめにしてショートカットを使う
- 使用するツールのショートカット機能の活用
- 仕事始めに必ずやることを決めておく
- 構成が決まっている資料や書類のテンプレート作成
定型化できて、なおかつ頻度が高いもの程、積もり積もって多くの時間を無駄にしています。
積極的にショートカットやテンプレート作成で効率化しましょう。
仕事の段取りを改善する7ステップ
それでは段取りの改善方法について、7つのステップで解説していきます。
目標を明確にする
まず、目標や目的が何なのかを把握しないとゴールがわかりません。
営業での目標の数字、期限内に商品仕様を決める、いつまでに製品を完成させる、など仕事の目標や期限、その目的を明確にしましょう。
たまに、一つの仕事をしていたり、忙しかったりすると、目標を見失ってムダな仕事や作業をしてしまっている事があります。こういった脱線を防ぐためにも、最終的なゴールを明確化しましょう。
目標までにやることをリストアップ
目標が決まったら、そこに向けてやることをリストアップします。
ポイントとして、ここでは細かい作業などまでは書かずに、大まかなやることをリストアップしていきます。
細かいことまで書いてしまうと書くのに時間がかかりますし、ゴールまでの道筋が見えにくくなったりしますからね。
例えば、今晩はカレーを作ろうと思ったら、やることリストアップは…
- 具材を決める
- 冷蔵庫の中身をチェックする
- 買うものを決める(カレールーや具材、福神漬けとか)
- どのスーパーで買うか決める
- 何時から作り始めるか決める
- 何時までに作るか決める
すいません、思いついたことを並べましたが、ざっとこんな感じでしょうか。
まぁ、カレーを作るためにここまで用意周到に準備する人は少ないかもしれませんが、具体例が他に思い浮かばなかったのでご了承ください。
やることの順番を決める
ざっと思いつくままにやることをリストアップしたら、その順番を考えましょう。
順序がめちゃくちゃだと何度も手戻りが発生したり、やった後に「先にこれををするべきだった」なんて事が起こって、とても効率が悪くなってしまいます。
余裕のある期限設定とスケジュール
余裕のない理想的な期限設定をしてしまう人は意外に多かったりします。
実際に仕事をしていたら、突発的なトラブルや工程の追加などは日常茶飯事ですし、理想論のスケジュールで提出して、後で「できませんでした」となると、あなたへの評価も下がってしまいます。なので余裕のある期限を組みましょう。
これは余談ですが、はじめてやる仕事などは、どのくらい時間がかかるかはわかりづらいと思います。そんな時は素直に周りに聞いてみたり、上司に相談してみるのも有りだと思います。
細分化してTO DOリストをつくる
ここまでで、おおよそ目標までのスケジュールや、やることが整理されてきたと思います。
そして、いざ仕事に取り掛かろうとした時に必要なのは、今やるべきことを可視化することです。先ほど大まかに書き出したリストアップを小さいやることに落とし込んでいきます。
それぞれのやることに対してTO DOリストを作りましょう。
これは、毎日、毎週、具体的にやることを書きだします。
例えば、リストアップした中に「 見込み顧客の資料を作成する 」といった項目があったとしましょう。「見込み顧客の資料を作成する」為に細分化するTO DOリストはこんなものでしょうか。
- 顧客の必要な情報が何かリサーチしておく
- 顧客情報の収集
- 顧客リストのフォーマットを作成しておく
- 見込み顧客とそうでない顧客の選り分け
- エリア、年齢、性別、等のカテゴリ分けを決める
リストアップするものはメモ帳でも手帳でもメモアプリでも自分が使いやすいもので良いと思います。具体的に今日や今週に今からやるべきことをメモにリストアップしていきましょう。
こうすることで、目標までの大筋と、それぞれの工程で今からやることが明確になって行動の迷いが少なくなります。
早めの連絡と相談
段取りをすることで、格段に業務効率や成果は出やすくなりますが、時には大きなトラブルや見込み違いなどで、期限までに間に合わなくなることもあるでしょう。そんな時は、わかつた時点で上司や周囲に相談しましょう。
よくありがちなのは、自分でどうにかできると思って、そのまま突き進んでしまうことです。これは昔、私もよくやってしまっていました。
ある程度、解決の糸口が見えていればそれでもいいんですが、具体的な方策が出ないのに、いつまでも悩んでいるのは時間の無駄ですし、こういう時は心理的にも追い込まれるのでよくありません。
素早く動いて、周りと相談することで思わぬアドバイスがあったり、助けを得られる可能性もありますし、逆に行動が早いことで、あの人は「フットワークが軽い」「レスポンスが早い」と高評価に繋がることだってあります。
振り返りをする
振り返りをすることはとても大事なことですが、ここを忘れてしまう人が多いのも事実です。私自身へ自戒の念も込めて言っていますが…。
「失敗は成功の元」なんて言いますが、失敗や成功の経験は何よりもリアルなデータです。これを振り返る(分析する)ことで次に大きな成果を生む可能性もあるので使わない手はありません。
なぜうまくいったのか、いかなかったのか、を考えて自分なりにその仮説を立てて次に実践してみましょう。
これを繰り返すことで、どんどん自分のスキルがアップデートしていきます。
まとめ
この内容を読んで「当たり前のこと」と思う方もいるかもしれませんが、意外にその「当たり前のことができていない」人って多いと思います。
イギリスに伝わることわざにこんな言葉があります。
つまり、「学問がなくても経験を積んでいく人は、学問があっても経験が無い人に勝てる」という訳です。よく「学問ばかりの頭でっかち」や「ノウハウコレクター」とも言われる話ですね。
自分も昔はそうだったのですが、頭でわかっているのと、実際に実行しているのとは天と地の差程に意味が違います。
この記事を読み終わったっら、さっそく実践してみて自分なりに改善してみてください。私はこの考え方で段取りが随分と改善したので、ある程度再現性はあると思っています。
少しでもお役に立てれば幸いです。