【当事者が話す】仕事で先延ばしの多いADHD。原因と4つの改善手順

オーくん
いつも仕事で、やらないといけないことはわかっているのに先延ばししてしまう。
どうにかして先延ばしクセを治したいけど、どうしてこうなるのか?どうすれば治るのか?皆目見当もつかない。
誰か先延ばしクセを治した経験があれば教えて欲しい。

今回はこんな悩みにお答えしていきます。

amatochan
この先延ばしクセが治らないという気持ち、とてもよく分かります。
というのも、私はADHDという発達障害の特性もあり、長年先延ばしクセに悩んでいました。
ですが、試行錯誤を重ねた結果、ずいぶんと改善することができましたよ。

現在は、段取りを立てて行動できており、「期限に遅れるまで何も対応できていない」ということは無くなりましたし、ある程度アウトプットを出せる体質になりました。

先延ばししてしまう原因はいくつかあり、その問題を一つづづ解決していけば、完全に先延ばしを無くすことはできなくとも、日常ほとんど困ることがなくなるレベルには改善可能かと。

あと、先延ばしといっても、「仕事をしていて先延ばし」「毎日の生活の中でやるべきことを先延ばし」だとちょっと内容が違うと思います。

今回のお話は、あくまで「仕事の先延ばし」に焦点を当てて、私が実際に改善するために行った方法についてお伝えしていきますよ。

本記事の内容

  • 先延ばしの経験談
  • 先延ばししてしまう原因
  • 先延ばしを改善する方法と手順

なお、わりと意識低く、基本的な内容を書いています。

ある程度仕事を習熟していて、更に上を目指すような方には物足りない内容かもしれませんので、ご了承お願いします。

仕事で先伸ばししてしまう原因

仕事で先延ばししてしまう原因はこんな理由があるんじゃないでしょうか。

  • 何からやればよいかわからない
  • ゴールまでの道のりが見えない
  • わからないことが多すぎて手をつけられない
  • 期限があいまいでつい後回しにしてしまう
  • 人に聞きづらく進まない

というのも、先延ばしばかりしていた頃の私が、まさにこんな理由で悩んでいました。

それぞれの内容について深掘りしていきます。

何からやればよいかわからない

「さあ、やろう!」と思った時に、こんな経験はないでしょうか?

あれ?何からやればいいんだっけ?

たとえば、製品設計の職場で、ある開発製品の仕様書を上司から渡されて、「まずは大まかに検討しといて」と言われたとします。

ベテランさんや、ある程度やることがわかっている人なら、これだけの説明で動ける方もいるかもしれませんが、経験が浅かったり、段取りを組立てるのが苦手な人は「あれ?何からやればいいの?」となるはず。

「ワカラナイ」は「ツマラナイ」に繋がりやすく、取り掛かるのが面倒に感じてしまうので、さらに先延ばしを助長します。

「ワカラナイ」だと「ツマラナイ」になりやすい。

行動するにも何をして良いのかわからないので、「とりあえずわかる仕事から済ませておこう」となり、いつの間にか期限ギリギリになっているパターンですね。

段取りに関してはこちらの記事で詳しくお話ししているので、悩んでいるなら解決のヒントになると思います。

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ゴールまでの道のりが見えない

ゴールまでの道のりが見えないと、仕事のボリューム感や、どのくらいで出来そうなのか、という感覚がわかりません。

「とりあえず後でいいや」で後回しにして、数日後に内容をようやく把握してみたら、「もう間に合わない」なんてこともあるんじゃないでしょうか?

わからないことが多すぎて手をつけられない

取り掛かってはみたものの、わからないことが多くてなかなか仕事を前に進められず、しかも他の仕事も間に入ってくるので、いつまでも終わらない、というケースもあるでしょう。

先にも書いたとおり、「わからない」「進まない」仕事だと「やりたくない」という気持ちになるのは必然です。

もしかしたら、「わからない」という状況から、「失敗したらどうしよう」という恐怖もあるかもしれません。

このループになると、「とりあえず後でやろう」が常態化しやすくなるんですよね。

期限があいまいでつい後回しにしてしまう

中には、期限が明確に決められていない仕事もあるかもしれません。

状況によって期限やその内容が変更される業務は往々にしてあります。

しかし私を含め、ADHDをもつ人の特徴のひとつに、「臨機応変な対応が苦手」という特性があります。

ADHDは臨機応変な対応が苦手

こういったあいまいな情報の場合、何を目安にスケジュールを立てたら良いか?もし状況が変わった場合はどう対処すれば良いのか?と悩むこともあるでしょう。

人に聞きづらく進まない

仕事がうまくいっていないということは、仕事に対する知識や理解度も不足している可能性があります。

仕事がうまくいかない原因のひとつは、仕事の知識が不足している可能性も

「わからない」ことが多いということは、つまづくポイントも多い訳ですが、人にいつも聞いていると、だんだん聞きづらくなることもあるでしょう。

そうして先延ばしにしているうちに、いつしか期限は目の前、というケースもあるんじゃないでしょうか。

仕事で先延ばしを改善できた方法と4つの手順

ここから先延ばしを改善する方法について、手順形式でご紹介していきます。

実際に私自身効果のあった方法なので、何かしらお役に立てる要素があると思います。

ぜひ参考にして頂ければと。

1.やることを細分化する【具体的な行動に落とし込む】

以前、こんなツイートをしました。

「よし、やろう!」と思っても、「何からとりかかれば良いかわからない」という感じで先延ばしにしてしまう方は、まず「目的」と「目的を達成するための手段」を小さく細分化してみましょう。

この時に大事なのはコレ。

具体的に行動できる手段まで細かくすること。

たとえば、資格を取ろうと考えた時に以下の2つの考え方では、どちらがすぐに行動に移しやすいでしょう?

  • まずは参考書を買って読んでみよう
  • ネット検索で評価の良い参考書を2、3冊買って、今週中に一冊まずは読んでみよう

言わずもがな、誰が見ても後者の方ですよね。

前者では「何の本を買うのか」「いつまでに何をするのか」の行動が不明確なので、だらだらと時間を浪費する可能性があります。

一方、後者は「何を」「いつまでにやるか」が明確です。

こんな感じで、目的までに必要な行動を具体的に小さく分けて書出してみましょう。

そうすることで、取り掛かる際の「で、何をすればいいんだっけ?」が格段に減ります。

やることが明確なので「やろう!」と思ったらすぐに取り掛かれる訳ですね。

2.TODOリストを書き出す

やることが細分化できたらTODOリストに書きなぐりましょう。

パソコンのメモ帳でもいいでしょうし、手帳などでも、失くさないものであれば何でも構いません。

ただ注意点があります。

使うメモはひとつにしましょう。

あれこれたくさんのメモ帳をつくってしまうと、どこに書いたかわからなくなり、探すはめになりますからね。

ひとつのメモに集約していれば、「少なくともこの中に答えがある」という安心に繋がります。

そして、TODOリストを活用する際に、最低限大切にしたいのは、この3点だと思っています。

  • 箇条書きにする
  • 行動するための具体的なTODOを書く
  • 進捗があったら都度確認と更新をする

実はこの「箇条書き」の話、このブログでも多用しています。

箇条書きのメリットは、文で”つらつら”と書くよりも、要点が伝わりやすく、見やすいのがいい所です。

2つめの、「行動するための具体的なTODO」というのは、先ほどの「細分化」でお伝えした通り。

「目的」に到達するまでにやることを書き出していきます。

より行動に直結しているタスクまで落とし込むことができれば、悩むことなく取り掛かれます。

結果、先延ばしを防ぐ効果が見込めるというワケ。

最後の「進捗確認」に関して。

私は毎朝、このリストを見てから仕事を始めます。

そして、仕事の進捗があれば、都度内容を確認して更新。

帰宅前には翌日のやることをリストアップしておくことで、翌朝、「さあ、何からやろう」という無駄な時間を使うことなく、TODOリストに沿ってすぐに取り掛かれます。

私も実際、このTODOリストを一日何度も確認しながら仕事をしています。

この習慣を取り入れてから、かなり頭の中が整理され、「とりあえず後回し」を大幅に減らすことができましたよ。

あと、以前にこんなツイートをしました。

ADHDの人に限らず、メモは人生のあらゆるシーンで、かなり強い武器となると思っています。

メモの活用術については、こちらの記事で詳しくご紹介していますよ。

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3.わからないことも書き出す

TODOリストを書き出して行く中で、どうしてもわからないことや疑問点が出てくることもあるでしょう。

そんな時は、「確認リスト」をTODOリストと同じメモに残しておきましょう。

確認したいことは忘れないようにメモで控えておく

「後で聞こうと思ってたの何だったっけ?」ということは誰しも経験があるんじゃないでしょうか?

また、「わからないこと」を書き出すことで、自分が何がわからなくて煮詰まっているのかが整理しやすく、「何がわかれば前に進められるか」が見えてきます。

仕事を進める方向性がわかってくると、「先延ばし」が発生しづらくなります。

4.わからないことは聞く【調べるのも大事】

前提として、自分で調べてみるのは大事です。

ですが、どうしてもわからないこともありますよね。

ここの話は赤裸々な体験談になりますが、私なんかは、調べものが苦手で、着眼点が狭いせいか、なかなか答えに辿り着かないことがよくあります。

そんな時は誰かに聞いてみるのが一番早い訳ですが、質問が多すぎたり、初歩的すぎる質問はやっぱり聞きづらくなるもの。

昔の自分は、そうして聞くのを先延ばしにし、しまいには期限間近、ということがよくありました。

amatochan
恥ずかしすぎる話です…

よく、「聞かないことは聞くことよりも罪が重い」とよく言われますよね。

私もこの考えは「その通りだ」と思うんですが、「そうは言っても聞きづらい」こともあります。

でもコレ、実は最近、私ほとんどなくなったんですよね。

改善した理由にはこんなポイントがあると思っています。

  • 無用なプライドを捨てた
  • 周りと普段から会話するようになった
  • 基本的な知識が身に付いた
  • 話すことで自分の理解度が相手もわかる

それぞれの理由について、もう少し詳しくお話しします。

無用なプライドを捨てた

たぶん昔は、変なプライドもあったかと。

「人からどう見られるか」というような、意味のないプライドがあったように思います。

おそらく社会に出た頃、これが最初にして最大のミスでした。

「こんな質問したらバカだと思われないか?」といった不毛なことばかりを考えて、教えを請わなかった結果、「基本の知識が身につかない」状態をつくりだしました。

でも、「わからないものはわからない」とある意味開き直り、今では同期でも年下でも、遠慮なく聞いています。

やはりADHDの特性もあり、人より理解するのにかなり時間がかかりますが、現在では内容を理解し、提案できるまでに改善しました。

もちろん、まずは自分で調べてみることが大事です。

そして、教えて頂いた方への感謝は忘れないようにしましょうね。

無用なプライドは捨てよう

周りと普段から会話するようになった

普段から「周囲との会話」をするようになって、まず気軽に聞きやすくなりました。

やっぱり、普段から会話していない人には話かけづらいものです。

私、昔は仕事場ではほとんど会話をしないタイプでした。

意識はしていなかったのですが、最近はどうでもいい雑談もするようになり、そうなると何の抵抗もなく人に質問できるようになったんですよね。

私も含め、コミュ障な方の場合は難しいと感じるかもしれませんが、これも小さく行動してみてはいかがでしょう?

たとえば、毎日の挨拶と「もう一言」くらいの会話からはじめてみてもいいんじゃないでしょうか?

普段から会話していると、何でも聞きやすい

基本的な知識が身に付いた

これまた恥ずかしい話、仕事ができない状態の頃は、基本的な知識も不足していました。

なので、会議の時などでも話についていくことができず、後で質問しようにも、「わからないことがわからない」。

結果、質問してもトンチンカンな内容で、せっかく教えてもらっても「基本がなってないから、ちっとも理解できない」という状態。

そして、聞きづらくて先延ばし、期限に間に合わない、という負のループに陥っていましたね。

当たり前ですが、基本ができていないことが仕事が進まない原因だとわかってからは、とにかくわからないことを調べて、人に質問をしまくりました。

結果ある程度、専門知識を習得することができたことで、こんな変化がありました。

  • 的を得た質問ができる
  • 聞いた内容を理解できる
  • 業務の全体像や状況が見える

こうなると、あれだけ辛かった仕事が、割と楽しくなってきて、更に仕事に対する意欲が出てきます。

この良いループに入ると、先延ばしをしてしまうなんてことははグッと減ってきます。

わからないことは素直に教えてもらう

話すことで自分の理解度が相手もわかる

上司や一緒に仕事をする人と相談や質問をしていくと、自分が「どこまで理解できているか?」が相手に伝わります。

ちょっと、自分の能力の低さが伝わるのはツライと感じるかもですが、これって意外に仕事をする上でメリットだったりします。

その理由はこんなところ。

的確なアドバイスや説明をもらえるから。

相手が自分の力量を知ることで、「この人はこのあたりが理解不足だから、ココはよく確認した方が良さそうだ」という予測が入るようになることもあります。

自分の弱点を他人にフォローしてもらいやすくなる訳ですね。

ちょっと仕事の姿勢としては失礼かもしれませんが、後々大きなミスに繋がるよりもよっぽど建設的ですし、自分の仕事への恐怖心もいくぶん和らぎます。

また、チームとしての効率性、正確性も向上が見込めるかと。

最初は迷惑をかけることもあるかもしれませんが、こうしてコミュニケーションを増やすことで、成長が加速するし、人間関係にもいい影響があります。

私の場合は、こんな感じで良い変化があったので、断言できます。

まとめ:行動のコントロールはメンタル+しくみ

中には「強いメンタルを必要ない」と言われる方もいます。

確かに、「鋼のメンタル」までは必要ないと思いますし、そんなものを習得できる人はごくまれなんじゃないかと。

私は経験上、先延ばしを含めて行動をコントロールするには、”メンタル的”な部分と”しくみ的”な部分の両方が必要かなと思っています。

今回は、先延ばしを防ぐ仕組みづくりを中心に解説しましたが、今後も様々な視点で、意識低く、仕事や人生を楽しむための工夫や改善についてお伝えしていきます。

それでは、今回は以上になります。

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