ADHDでミスが多くて仕事が続かない…。
自分に合った仕事ってないんだろうか?
ADHDでも適正の合う仕事の選び方があれば知りたいな。
こんな悩みに答えていきます。
本記事の内容
- ADHDの人の仕事の選び方5選
- 一般論は過信せず自分で分析すべき
- 副業で小さくチャレンジして適正の合う仕事を見つける
ADHDを抱えていると、仕事がうまくいかないことが多めなので、「どんな仕事を選べばいいのか?」と悩む人も多いことでしょう。
この記事を書いている私もADHDと向き合う当事者です。
ちなみに一時期、障害者手帳を持っていたこともありましたが、現在は失効しています。
仕事が上手くいかず転職を何度もくり返しましましたが、現在はある程度仕事に恵まれたので、安定した生活をしています。
当時のリアルな実話はこちらの記事で語っています。何かの参考になれば幸いです。
突然ですが、私は昔、ADHDがあることをカミングアウトして会社をクビになりました。 今回はそこに至るまでの経緯を書いていこうと思います。 たぶんADHDの人は仕事でつまづくことが多いと思うので、同じように仕事をクビになることに不[…]
とはいえ、ADHDがある以上、ミスやヌケモレは日常茶飯事。
社会での競争力は低めなので、常に将来に備えて戦略を練っています。
それなりにADHDの特徴と仕事の選び方も分析してきましたので、お役に立てることもあるかと。
ADHDの人の仕事の選び方5選
早速ですが、たぶんADHDの人が仕事を選ぶ場合、この5つが候補になると思うんですよね。
- 向いてる仕事で一般就業
- 個人事業主
- 社長業
- フリーランス
- 障害者雇用
それぞれの仕事の選び方の特徴をはじめ、メリット、デメリットについてお話ししていきますよ。
1.向いてる仕事で一般就業
まず、仕事の向き不向きを考える上で、一般的に言われるADHDの傾向を知っておいた方がいいでしょう。
向いている仕事、向いていない仕事は一般的にこのように言われます。
ADHDが”向いている”と言われる仕事
- プログラマー
- システムエンジニア
- クリエイター
- WEBデザイナー
- 営業職
- 研究者
- 職人
向いている理由
- ひとつのことに没頭できると集中力を発揮する
- 創造力が豊かなことが多い
- 結果だけを求めらるなら成果が出やすい(過程は関係ない)
ADHDが”向いていない”と言われる仕事
- サービス・接客業
- 総務職、事務作業
- 配送ドライバー
- 銀行・金融関係
- 医師・看護師
- 工場の作業員
向いていない理由
- 臨機応変な対応が難しい
- 間違いが許されない
- 細かな注意が求められる
- 単調な作業だと注意力が続かない
- マルチタスクだとタスク崩壊する
もし適正の合った仕事を見つけることができれば、一般で務めても何ら問題はないでしょう。
障害者雇用でなく一般で働く場合のメリットは、まず給与水準が一般的レベルなので経済的には安定しやすいこと。
また、ある程度実績を上げることができれば、新たな仕事に挑戦できるなど、スキルアップの伸びしろが望めます。
スキルアップすることができれば、その会社が仮になくなってしまっても、人材としての市場価値は高まり、転職も容易になるでしょう。
一方デメリットとしては、「自分に合う仕事に出会うのはなかなかに難しい」ということ。
ぶっちゃけ私も、今の仕事は決して適正が合っている訳ではなく、好きな仕事であることと、ある程度業務レベルのハードルを下げているからと言えます。
ただ、自分が活躍できる分野を見つけることができれば、飛躍的にスキル向上が見込めるんじゃないでしょうか。
2.個人事業主
企業勤めするのではなく、個人事業主になるというのもADHDの人にとってはマッチしやすいかと。
個人で事業をする場合、自分の裁量で仕事を進められるので、その過程がどうであれ、結果が出ていればしっかり稼いでいくことができます。
出社時間も特に決まっていない職種も多いので、仕事を始める時間も終わる時間も基本的に自由です。
実は私の親父もADHDの気質があるんですが、個人事業主です。
(病院へ行ったこともありませんが、かなりの傾向アリです)
こんなこと言うと怒られそうですが、仕事は割と大雑把で、経理関係もどんぶり勘定な所がありますが、仕事が大好きで、寝食を忘れて働いているタイプ。
仕事に対する知識や、腕も良いので、仕事にそれほど困った所を見たことがありませんでした。
細かい作業や時間に厳しい社会のルールに縛られにくいのが、個人事業主の良い所ですね。
3.社長業
実はADHDの人には社長が多いのはご存じでしょうか?
2016年、ミュンヘン工科大学が、ADHDと診断済みの起業家に行った調査があります。
その結果、ADHDの起業家は2/3が事業を成功させていたという事実が分かったそう。
中小企業庁の調べでは、日本で起業5年後生存率が81.7に対し、欧米では40%~49%程となっています。
日本は突出して起業後生存率が高いものの、欧米各国の数字と比べれば、ADHDの人の起業後の生存確立は高いと言えるでしょう。
つまり、ADHDの人は起業に向いている傾向があるということです。
改めて考えてみると、確かにこれにはガッテンがゆきます。
ADHDの人は、細かな事務作業でミスが多かったり、モノ忘れが多いという欠点がある一方、こんな良い面もあります。
- 好きな事に対する集中力が高い
- やりたいと思ったらすぐに行動する
- 妄想や創造、アイデアが浮かびやすい
- 好奇心旺盛
- 周囲の変化に敏感
つまり、事務的な仕事や細かな折衝などの苦手なことは、できるパートナーや従業員に任せて、ADHDの得意な、クリエイティブな発想や企画力に集中することで、成功しやすい予想ができます。
実際、こんな事例はいくつもあります。
たとえば、イギリスのヴァージン・グループ創業者のリチャード・ブランソンさんはADHDを診断済み。
冒険家としての一面もあることから、思い立ったらやらずに居られない性格であることがわかりますね。
もうひと方、お笑い芸人の、爆笑問題、太田光さんはADHDの診断はされていないと思いますが、普段の落ち着きのない動きや、状況をかえりみない行動・言動はADHDの特徴そのもの。
彼の場合、本能がそのまま行動に出ていて、瞬発力のいるお笑いの世界で才能が開花しているますよね。
また、読書家でも知られ、深い哲学をお持ちです。
それが、コメンテーターとしての才能も引き出しているんじゃないでしょうか。
ただその他のことは、周囲もご本人も壊滅的にできないとおっしゃっており、そのできない部分を奥様の光代さんと、相方の田中さんがサポートしているから、絶妙なバランスがとれているのかな?と思う訳です。
そんなことがわかるエピソードとして。
かつて、恩師である故・立川談志さんも太田さんに対し、こう言ったたそう。
つまり、ADHDの起業家や独立して活動している人には、細かい調整ができるパートナーが必須と言えるでしょう。
4.フリーランス
フリーランスもADHDの人にとっては適正が合いやすいかと。
理由は、個人事業主や社長業とも意味合いは近いですが、メリットはこんなところです。
- 自分の裁量で仕事ができる
- 成果を出していれば過程は問題ではない
- 苦手なことは外注するなどして得意を活かしやすい
- 仕事を始める時間、終わる時間が自由
ただ注意点として。
これは発達障害に限らずですが、フリーランスは全てが自由なので、仕事に集中する時間や、計画性などを自分で管理できないと、仕事として成り立たなくなります。
しかし、ここがクリアできれば、ADHDが陥りがちな、遅刻や細かい作業などは工夫次第で手放すことができ、情熱や楽しみを感じられる仕事があるなら、フリーランスとして活躍できるんじゃないでしょうか。
5.障害者雇用
個人的には正直あまりオススメしませんが、障害者雇用で働くという選択肢も一応あります。
最も大きなメリットは、会社に障害のことをオープンにして仕事をできるということですね。
周囲の配慮や、障害に配慮したポジションに就けることもあるでしょう。
ただ、デメリットとしてこんなことがありますね。
- スキルアップが難しい
- 賃金が低い
- 賃金の上昇が難しい
- 再び一般の仕事に戻ることは困難
- 経験できる仕事がとても狭い
こんな理由から、「正直オススメはできないかな」というところ。
障害者雇用を検討するなら、他の選択肢以上に慎重に判断する必要があると思いますよ。
一般論は過信せず自分で分析する
一般的に紹介される、ADHDの向き不向きの職業は「あくまで参考程度にしておいた方が良いかな」と考えます。
これは経験上断言できるんですが、人それぞれ発達障害の特徴の出かたが違うので、しっかり自己分析することが必須だと思うんですよね。
自己分析についてはこちらの記事で解説していますので、参考にどうぞ。
オーくん 毎日、仕事と家の往復で、たまに同僚と飲みに行く。そんなに不満ではないけど、何となく物足りなくてモヤモヤするな~自分が本当は何がしたいのか?どんな生き方をしたいのか最近ふと考えがち。「自分を知るのは大切」とは言うけど具体的に[…]
そして大事なのが、ある程度「この仕事なら向いてるんじゃないか?」という仮説を立てたら、経験してみる必要があるはず。
というのも、先日こんなツイートをしました。
いくら、頭の中でガチャガチャ考えても、それはあくまで「絵に書いた餅」なので、実際やってみないと分からないのが実際のところだと思います。
小さく始めよう
先にお話しした通り、適正は経験してみないと結局のところわからないものです。
とはいえ、何度も転職するのはリスクですし、かなり勇気が要ることなのも事実ですよね。
そんな時は、できるだけ今の仕事を続けながら試してみるのが良いと思うんですよね。
たとえば、今ならネットで完結する副業はたくさんあります。
- プログラミング
- WEBデザイン
- ブログ
- コンサルティング
- スキルの販売
- 自作雑貨の販売
ここで重要と思うのが
中にはいきなり仕事を辞めて、ビジネス一本に絞る方もいますが、ここまで自分を追い込んで継続的に発展していく人ってそんなに多くはないと思うんですよね。
もちろん、そんな方を否定するつもりもありませんし、むしろその心構えはスゴイと思いますよ。
ただ、ここまで追い込むと短期的な利益を追いかけることになってしまい、一時的に成功しても、ビジネス的に無理があって続かない、というケースも多いように思います。
こんな理由から、まずは副業で色々試してみるのが良いと思うんですよね。
もし、そこで自分にマッチした仕事が見つかったら、副業でスキルアップしてから、実績を引っさげて、その業界へ転職する道も見つかるかもしれません。
副業はネットで完結する仕事がオススメ
副業の話をすると、「バイトでもいいんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。
ただ、バイトはあまり得策ではないかな?と考えており、結論としてはネットで完結する仕事が良いんじゃないかなと考えています。
その理由はコチラ
- バイトはスキルにならない仕事が多め
- 職場への移動時間がロス
- ネットの仕事はスキルアップになる
- 長期的には単価の高い仕事が狙える
- 場所と時間を選ばない働き方を目指せる
一部、スキルに繋がるようなものはありますが、バイトのほとんどの場合はあまりスキルにならない仕事が多め。
また、本業の仕事を終えてから職場へ向かい、そこから帰る時間があるので、疲れますし、何より時間のロスが大きい。
これに対して、ネット上でできる仕事はスキルアップに繋がる仕事が多く、経験を積めば稼げる額も上を狙っていけます。
もちろん内容にもよりけりですが、スキル習得やどこでも働ける仕事は、より人生を豊かにしてくれるでしょう。
こう話すのは、私自身も、今はネットで完結した副業しかしておらず、これらの恩恵を強く感じているから。
まとめ:仮説を立てて小さく行動
向いている仕事を探したいと考えているなら、まずは自分の特性を考えて、向いていそうな仕事の仮説を立てましょう。
その上で、転職するのも良いですが、いきなりはなかなか踏ん切りがつかないもの。
そんな時は、副業など小さなチャレンジからはじめて、自分に合うかを見ていけば、徐々に自分の得意不得意が鮮明にわかってくるし、経験も蓄積できるので相乗効果があります。
この行動のくり返しが、あなたの辛かった仕事を楽しいものにしてくれるキッカケになるかもしれませんよ。
まずは小さく行動をはじめてみてはいかがでしょうか?
今回は以上となります。