ADHDで仕事が向いてないと感じたら最初にやること【強み弱みを知る】

オーくん

今の仕事はどう考えても向いている気がしない。
ミスは多いし、決められたことも守れない…。
自分に向いている仕事なんてあるんだろうか?
そもそも自分はどんな仕事が向いているんだろう?

今回はこんな悩みにお答えしていきます。

この記事を書いている私は、ADHD診断済みの当事者です。

ADHD特有の凸凹に長年悩まされてきましたが、工夫や改善を重ねた結果、ずいぶんと特性をカバー出来るようになりました。

私は、20代も後半に差しかかった頃に、「今の仕事はどう考えても向いてないな」と考えるようになりました

でも当時は仕事でうまくいかない理由がわからず、途方に暮れる毎日。

ですが、「原因がわからないのに対策を打てるはずもない」と考え、自己分析に取組みはじめたんです。

時間はかかりましたが、徐々に自分の置かれている状況がわかってきて、自分の強みや弱みを把握することができました。

その結果、今では「〇〇の仕事は~の理由から向いていない(いる)だろう」と、論理的に予想できるようになりました。

今回はそんな私が、「ADHDで仕事が向いていない」と感じている方向けに、自分の強み弱みを知るための方法についてお伝えしていきます。

この記事を読んでもらえば、「自分の強み弱みをどうして知るのか?」の解決に繋がるはずです。

さらに言えば、「向いている仕事と向いていない仕事」の予測がつくようになるはずです。

実際に私が、自分に投げかけていた質問もまとめてみました。

ご自身に問いかけることで、自分の「仕事の向き不向き」が見えてくるはずです。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

本記事の内容

  • 仕事が向いてないと考えた時にやるべきこと
  • 強みと弱みを知るための方法
  • 好きや得意じゃなくてもいい

ADHDで仕事が向いてないと感じたら最初にやること【強み弱みを知る】

もし「ADHDで仕事が向いてないかもしれない」と考えるなら、結論はまず、自分の強みと弱みを知ることです。

その理由はこちらです。

  • なぜそう感じるか?がわからないと、本当に不向きか判断できない
  • 実は何か足りていないものを補うことができれば得意に変わる可能性もある
  • 向いてないとしても、次にどんな仕事を選んで良いのかわからない
  • ただやみくもに挑戦するのは不安過ぎるし、無駄な時間を浪費しやすい

たぶん漠然と「向いてない」と考えているだけの場合も多いんじゃないでしょうか?

実は、こう書いている私も同じ状況でした。

「何か自分が活躍できる場所はないものか?」と考えていましたが、そもそも仕事で、どうしていつもうまくいかないのか?が全く分かっていませんでしたから。

じゃあ具体的に、強みや弱みはどうすればわかるようになるのか?

これを解決するひとつの方法として、自分へ投げかける質問が大事かと思います。

強みと弱みを知る質問

私は先日こんなツイートをしました。

自分へ的確な質問を投げかけることで、本質的な自分の強みや弱みが見えてくることがあるんですよね。

ですが、これにはある程度訓練が必要。

ツイートのとおり、最初はまるで的はずれな質問ばかりになることでしょう。

ぶっちゃけ、私もまだまだ「考えの深さや気づきの力は弱いな」と感じますが、それでも相当レベルは上がりました。

経験数を増やし、実績を挙げている方のお話しを聞いたりすることで、徐々に自分に、的確な質問を投げられるようになります。

ご自身でも的確な質問が考えられるように訓練する必要はありますが、ここでは実際に私が自分に問いかけて、強み弱みのヒントが出てきた質問を挙げてみますので、参考にして頂ければと。

その質問がこんなところ。

  • うまくいく、うまくいかないパターンは?
  • 人から言われた言葉は?
  • 昔から長く続けていることは?
  • 子供の頃の自分のポジションは?
  • 夢中になったことは?

それぞれ、もう少し詳しく解説していきますよ。

うまくいく、うまくいかないパターンは?

これまでの自分の人生の中で、「これはうまくいったな(いかなかったな)」というエピソードは数限りなくあるはずです。

そんなことを思い出してみましょう。

手順としてはこの順序で考えると良いかと。

  1. うまくいった(いかなかった)ことを考える
  2. その事実の共通点から考えられる原因は?
  3. つまり〇〇という特徴があるから起こっている

うまくいったことと、うまくいかなかったことの中には、少なからず共通点もあるはず。

人生の中で、何度も同じような現象がくり返し起きていることは、今後も同じような出来事があなたの身に起こる再現性が高い訳で、それは自分の特徴と言えます。

たとえば私の場合は、「仕事で一年経った頃からミスが目立つ」という傾向がある一方で、「転職の内定率が高い」という傾向がありました。

よくよくその時の状況を考えていくと、こんな原因が浮かび上がってきました。

  • 最初の仕事の概略を理解するのは問題ない
  • 仕事で使うツールを使いこなすまでは、むしろ早い
  • 詳細に踏み込んだ話に入ると頭が混乱する
  • より細かく、複雑な仕事を与えられるフェーズでつまずく
  • 面接で経験した仕事の内容や概要などを順序立てて伝えるのは割とできる
  • より詳細の説明を求められると言葉に詰まる

このことから感じたのが、細かい複雑なことを考えるのは苦手だけど、大まかな概要や大局を考え伝えるのは、割と得意だということに気付いたんですよね。

何度も起こる事には、たいてい何らかの原因があるから結果が似通うものです。

その傾向を分析してみると良いですよ。

人から言われた言葉は?

過去に人から言われた言葉を思い出してみましょう。

嬉しいものもあれば、辛い思い出もあるはずなので、ちょっと気持ち的にシンドイかもですが、今後のためにも”棚おろし”してみることをオススメします。

具体的にはこんなこと。

  • 人から褒められたこと
  • 人から批判されたこと
  • 人から怒られたこと
  • 人からアドバイスを受けた言葉

こちらも私の例を挙げておきます。

私は人から説明された時「よく理解できません」と言う場面が多くなりがちです。

そして相手から「説明が悪くてごめん」という言葉をもらいがち。

つまりは、これが私のADHDの特性による弱みで、「ものごとの理解力が低い」ということに他なりません。

一方で、考えている事や取り組んでいることなどを説明する時は理路整然と説明できたりします。

なので、「よく考えてるね」「よく分析できているね」と言われることもありました。

これは、昔から自己分析を行っていた結果、分析能力が上がったと考えられます。

こんな感じで、人から言われた言葉から自分の強みや弱みを知るヒントになるでしょう。

昔から長く続けていることは?

読者のあなたも、長く続けていることの1つや2つはあるんじゃないでしょうか?

長く続けられているということは、得意、もしくは嫌いじゃない可能性は高いでしょう。

たとえば、私はメモを取る習慣をもう10年以上続けています。

確かキッカケは、日記を書き始めたことでした。

日記はすぐに飽きて書かなくなったのですが、「情報を残しておきたい」という強い思いがあったのは覚えています。

それからというもの、メモの習慣が身につき、気が付いたらメモ魔になっていました。

たぶん、人によっては「そんなこと続けられない」と感じる人もいるかもですが、私にとってはメモを書く事がむしろ心地良かったりもします。

つまり、これが強みですよね。

読者の方も一度、「長く続けていたこと」「続けていること」を振り返ってみると、自分の強みが見つかると思いますよ。

ちなみにメモは、忘れの多さや思考の整理が苦手なADHDの人間には、必須のツールです。

こちらの記事では、メモの活用について書いているので参考にどうぞ。

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子供の頃の自分のポジションは?

みなさん、それぞれに子供の頃のキャラクターってありませんでしたか?

たとえばこんな子、いませんでした?

  • 超明るくて、クラスのムードメーカー
  • いつも大人しく見えるけれど、仲間想い
  • 根暗だけど、実はゲームが超強い
  • いつもアホなことばかり言ってるけど、勉強は秀才

時には、あることをキッカケに、性格やキャラクターが変わることもあるかもですが、キャラクターって生まれながらにある程度決まってるので、大人になっても本質的には変わらないことも多いはずです。

強み弱みとは少し違いますが、この元来もっている性格に反することで生きていくのは、かなり厳しいことは容易に想像がつきますよね。

たとえば、根暗な性格なのに、営業やサービス業の仕事に就くのはどう考えても無理があります。

自分の性格の真逆のことをすれば、気持ちもキツいし、強みを殺しているようなものです。

つまり、自分の本来もっている性格やポジションを、仕事にも当てはめて考えてみましょうってこと。

自分の本来もっている性格やポジションを確認してみよう

夢中になったことは?

昔、夢中になったことありませんか?

たとえば…

  • ガンプラの塗装まで凝って自作してた
  • 先生のモノマネにハマっていた
  • 好きなアイドルの追っかけに夢中になった
  • 鉄男で全国の電車を見に行った
  • クルマをいじるのが大好き

こういった夢中になっていたことは、間違いなく自分が好きなことですよね?

好きなことを仕事に繋げると、少ない労力でも大きく成長できることもあるでしょう。

楽しんで仕事ができることは、かなりの強みです。

ただ、この話を聞くと、こう思う方もいるはず。

 

いや、俺が夢中でやってたことは仕事になんねぇ

その気持ち、すごくわかります。

という私も、そう思って悩んでました。

ですが、これに関しては、最近大きな気付きがあったので、次にご紹介します。

強みがどんな人の役に立つ?

たぶん強みを分析してみた結果、こんなギモンも出てくるはず。

オーくん
強みはあったけど、どうにも仕事にならなそう…

そう、たしかに強みがどう仕事に繋がるかって、なかなか難しいポイントだったりします。

ただ、これにはひとつオススメの方法があり。

それが…

強みがどんな人の役に立つ?

この質問を自分へ投げかけること。

たとえば、私は昔から歴史が大好きでした。

ですが学生当時考えていたのは…

amatochan

歴史を仕事にしようと考えても、考古学者とか、学芸員とかしか思いつかない。
かなり狭き門だし、正直将来性があるのか疑問。
この方向は考えない方がよさそう…。

こんな思考で、当時は、この分野へ進むのは諦めたんですが、最近こんなロジックの考え方に至りました。

私が歴史が好きな理由

  • 歴史に登場する人物の生きざまに惚れて、生き方に感銘を受けた
  • 戦略や兵法などの思想が大好き
  • 戦国時代の人々の政治的な駆け引きに興味があった

そして、歴史小説を読み漁っていた自分が次に読み始めたのは、哲学書や心理学、自己啓発書の本なんかでした。

つまり自分は、本質的には哲学、心理学、自己啓発などが大好きであるということ。

(よく考えてみると、大学時代も心理学の授業を取っていました)

ということは、「こうして得た知識や経験は誰かの役に立つこともあるのでは?」と考えたんです。

個人的な事情をさらけ出すのは恥ずかしいですが、つまり、このブログで取り上げるテーマが「ADHD×自己啓発」なのは、私の強みだと気付いたからなんですよ。

読者のあなたも、自身の強みから「どんな人の役に立つか?」を考えてみてください。

きっと活かせる分野が見つかるはずですよ。

自分と人を観察する【差が見えてくる】

ここまでは、過去の自分を振り返ってみて、強み弱みを知る方法ついてご紹介しました。

一方こちらは、今を注意深く観察することで、強み弱みが見えてくる方法です。

というのも、日常で何となく起こる出来事にも、色んな情報が詰まっているものです。

その中で、「自分と人を観察することで差を感じる」ことがあるでしょう。

これは何も、自分と他人を比べるということではありません。

自分と他人を比べて落ち込むものではない

基本的に、人と比べてそのことに一喜一憂することは不毛です。

もし、心が荒れるならこちらの記事が役立つかもしれません。

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あくまで、自分の強み弱みを把握するための分析で使うものですので、そこは注意しておいてくださいね。

本題に入ると、同じことを、よーいドン!で同時にはじめても、それぞれゴールのタイミングや、クオリティなどは違ってくるのは当然ですよね?

当然ではありますが、そこに何か「差」が生まれている訳です。

ここで大事になってくるのが、自分と人を観察すること。

この強みと弱みを知るためには、日ごろから自分が何を考え、どうしてその結果に行きつくのかを注意深く観察する必要があります。

でも、次にこう考える方もいるはず。

オーくん
ところで、自分と人の何をどう見ればいいの?

具体的に見るべき視点としては、こんな所がポイントかと。

  • 着眼点を観察する
  • 仕事のやり方を観察する
  • 行動を観察する

それぞれ、もう少し詳しく解説しておきます。

着眼点を観察する

人と自分の着眼点の違いを観察していると、その分野での自分の思考の深さがわかってきます。

「着眼点?」「思考の深さ?」と思った方もいるかもしれません。

たとえばこんなことです。

自分の思考の深さを知る例

ある仕事上のミーティングで、社内のシステムの使いづらさについて話し合っていたとします。

自分はその話について、社内での事情や、自身の部署での問題点について考えていたとしましょう。

一方で、同期のCさんは、その問題を解決することで、どのくらいの効果があるかを数値で分析し、他部署での実情を知っているばかりか、実はシステム改修を行うことで、相乗効果を狙えるビジネスチャンスが眠っていることにまで気付いて発言したとします。

ちょっと例えがイマイチですが…。

この場合、思考の深さという点では、後者のCさんに”分がある”のはなんとなくわかりますよね。

ちょっとショックな話ですが、こんな感じで、人の発言や考えを聞いた時に、「自分ではとても思いつかなかった」というようなことが頻繁にあるなら、その分野では周りに強いライバルが大勢いることがわかります。

まだ経験が浅い場合は、将来的にレベルが上がる可能性も考えられるでしょうが、2、3年続けていてもこのような状況が続くなら、それは自分に向いていない分野の可能性は大です。

もちろん、この逆である場合は適正があり自分の強みになる可能性が大いにあります。

このように、人の発言や考えを注意深く聞くことで、自分の適正がどのくらいあるのか?ということがおおよそわかったりします。

つまり、同じ経験値で思考の深さに大きな差を感じるなら、そこから強み弱みがわかるという訳ですね。

仕事のやり方を観察する

よく「仕事のコツは他人から盗め」と言われる話がありますが、これは他の人の仕事力を測ることにも応用できると思います。

ちょっと失礼な話ですが、人の仕事のやり方を見ていると、「どうしてこんな手間のかかるやり方をしているんだろう?」と思うことがある一方で、逆に「こんな効率的なやり方があったのか!」と気付かされることもありませんか?

前者のように、人の仕事のやり方に「出遅れ感」をよく感じるなら、それはあなたが先行している部分であり、強みかもしれません。

一方後者のように、人のやり方を見て、自分が「出遅れ感」を感じるなら、それはあなたが不向きで、弱みの部分かもしれません。

「人の仕事を観察する」というのは、「人の仕事を盗む」という以外にも「仕事のやり方のレベルの差」を知るキッカケにもなります。

行動を観察する

人を観察していると面白いもので、その人の性格や行動パターンがよくわかります。

たとえば、ADHDの人でも衝動性の傾向がある方は、フットワークが軽いことも多いはず。

フットワークが軽いと、あまり難しく考えず、すぐ行動できるのはプラスに働く場合もあります。

一方で、色々考えすぎて行動に移せず、対応が後手に回る傾向にある人もいることでしょう。

フットワークの軽さは、一般事務など、淡々と同じ作業を繰り返すような仕事には不向きですが、営業や企画など、行動の速さが求められる職種では特性が活きる可能性もあります。

このように、人と自分の行動パターンから自分の強み弱みを知ることもできますよ。

好きや得意じゃなくてもいい

ここまで、「ADHDで仕事に向いていないと感じるなら、強み弱みを把握しよう」という話をしてきました。

ただ中には、そんなに好きじゃないけど、嫌いではない。とか、

得意ではないけど、不得意でもない。というものもあるはず。

実はこういったものも、伸ばせる可能性があります。

確かにずば抜けて、明確に得意で好きってことがあれば最強なんですが、私を含め、「そこまで明確に強みなんてないよ」と感じる方もいるはず。

そんな方は先に書いたような、「苦手ではない」「嫌いではない」ことを伸ばしてみるのをオススメします。

ある程度伸びしろも期待できますし、嫌いじゃなければ継続もしやすい。

「継続は力なり」なので、続けていけば芽が出てくることもあるはずです。

弱みが強みになることも

「ここまで強みを伸ばしましょう」という視点で書いてきました。

一方で、実は弱みが強みになる可能性を秘めていることも忘れてはいけませんね。

たとえば、ADHDの人の中には衝動的に、思い立ったら行動して、自分を抑えられない、ということもあるはず。

これは一見すると、後先考えない計画性の無さでもありますが、逆に言うとフットワークが軽く、行動力があるとも言えます。

実はADHDの方には有名な経営者も多く、例えばイギリスのヴァージングループ創設者である、リチャード・ブランソン氏はADHDを診断されています。

彼は、とにかく頭で考えるよりも行動するタイプの方のようで、まさに衝動性を活かした活躍をしていると言えますね。

こんな風に、「弱みが何か強みに変換できないか?」という視点も、自分の可能性を拡げる助けになるかもしれません。

弱みは強みになる可能性もある

まとめ:過去と今から分析する

誰でも、過去と今をじっくり観察し、分析してみることで、見えてくる強み弱みがあるはずです。

もしADHDの特性で、「仕事が向いていない」と悩んでいるなら、まず自分をよく観察してみましょう。

新たな場所で楽しく仕事ができるようになるかもしれませんし、今の状況を少し工夫するだけで、改善できることもあるかもしれません。

この記事でご紹介したことで、なにか感じるものがあればお試しあれ。

少しでもご紹介した内容がお役に立てれば幸いです。

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